9.SNS全盛の時代に乗って
— 今、色々お話していただいた中で、「転機だった」って思うエピソードありますか?
齊藤: アメリカで偶然出会った、
ICという働き方を実践していたおじさんの存在かな。
その経験がなければ、その働き方を知らなければ、
小資本で独立して在庫抱えて、今ごろ苦しんでいたかも知れないし。
— しかも、その出会いの瞬間は、その働き方を探していた訳でなく本当に、偶然だったのですよね?
齊藤: うん、そうでした。
その時は、「へーっ」て感じで聞いていた訳だし。
あともう一つは、ICとして働き始めて、
インターネットを使うことが当たり前になってきたこと。
特にブログやSNSの広がりかな。
これは、すごく大きく影響していると思う。
自分みたいに、ひとりで仕事する人たちも、
大企業と同じ情報発信ツールを手に入れることが出来た。
それまでは、口頭で伝えることによって広がりを作って、
偶然の繋がりを呼び寄せることが必要だったけど。
そうやっって、自ら発信をしていることで、
周りから、ふっと、ご縁を作ってくれる人が現れる。
そういう環境を、実際に行動することで作り出していたんだけど。
— それには、スキルだけでなく、行動力や人脈も必要でしたよね。
齊藤: うん、そうでした。
それが、ITを通して、SNSを活用することで、
その発信した内容の普及が、加速度的に広がっていく。
あの人、こういうことを考えているんだなって、
独立した人が、情報発信する環境が、大きく変化して。
自分の縁とか夢を引き寄せるスピード感が、
格段に、アップして来た。
そういう意味では、ICとして働くことは、
以前より、アドバンテージが上がっていると言えるかな。
— 伝えたり発信するためには、自分の夢とか、やりたいこと、考え方を、より明確にしなければいけないとも思うのですが。
齊藤: もともと、将来こういうことがしたいから、
どういう人脈が必要か、どういうスキルやノウハウが必要か。
そういうことは、意識して行動していたかな。
で、それを促進してくれるインフラが、SNSだと思う。
— ICとして継続して活躍していくうえでSNSの存在は大きかったということですね。これ以外に、知識や情報の更新をする上で心掛けていることはありますか?
齊藤: 今やっていることや、提供しているノウハウは、
すべて、クライアント企業に渡していきたいと考えている。
自分はその空いた部分に、インプットをしていきたいなって、
そういう意識が強くあるので。
仕事って、3年周期で周っていると実感していて、
その、3年後に新しいことを始めるには、インプットが大切で。
— 3年周期ですか?
齊藤: そう。
まだ、気がついていなかったり、専門家がいなかったり。
それを見つけて、ブログやSNSで発信して。
それが、ちょうど3年の周期で繰り返される感じ。
そういう視点で、情報を毎日意識してみていると、
なんとなく、目に入ってくるようになるんだよ。
新聞などのメディアで、記者が新しく使う言葉や、
海外での出来事など、早いところに目をつけて、
話題にしている人たちからの情報に、
自分なりの、考えや情報を付け加える。
それが、積み重なっていくことで、
自分自身が、まだ認知されていない新しいことについての
専門家になれる可能性が高くなる。
特に、ブログなんかのオープンな場所で発信していると、
その分野に関しては、あの人が詳しいとか、専門家じゃないかと。
「なりたい自分になるための近道」
というか、ツールという感じで、うまく活用してきた。
そして、それを3年周期で繰り返して来たと思う。
— それは、いつ頃気がついたんですか?
齊藤: 2サイクルくらいしたところで、気がついた。
あとは、将来こういう風にしたいな、と思ったことを、
そればっかり書いていたら、その仕事が来たり。
独立して、2年目からブログ書き始めて、
6年目くらいで、そのことがはっきりしてきた。
ちょうど、世の中の流れと合致していた、というのもあるかな。
最初は、在庫管理のこと、次は日本のSPAのこと。
それで、そういうことに興味のある人が読んでくれ始めて。
その後、外資のH&M、ZARAとか、
ファストファッション系に移って。
それで実際にお付き合いさせて頂きたいなと思っていた
潜在クライアント企業さんの方からお声がかかって、
ご契約させていただくことができたり、
本を書くきっかけになったり。
— なんで、これが次に来るって、見つけられるんでしょうか?
齊藤: 一番は、新聞3紙読んでるから。
ネットだと、自分から見に行くでしょう?
自分のペースで、見に行くというか。
— 今、購読者が減ってる状況ですけど。新聞なんですね。
齊藤: 新聞は、どんどん来ちゃう。
読まないと、溜まっていっちゃうでしょ。
この経験は、商社にいた頃から続けているんだけど。
結局、商社時代に、よりリテール志向になったのも
日経MJ、読んでいた影響もあったと思うし。
小売にいた時も、切り抜いてコピーとって回覧したり。
スクラップして、取引先の会話にも使ったり。
それを独立してからは、社内でなくプログというツールを使って
世の中の人たちと共有する、という形に切り替わっただけという。
— そういう感覚なんですね。
齊藤: 情報のシャワーを、無理やり浴びるというか、
そういう環境に、自分を置いておくというか。
それで、気になった記事を切り取って、
それに、もう一言、じぶんにはこんな意見やコメントがあるぞ、
っていうのと一緒に紹介する形で、ブログの記事にすると、
同じように、記事に興味持っていた人が読んでくれたり、
ブックマークつけてくれたり。
— ICとして、独立プロフェッショナルとして大事なことって何だとお考えですか?
齊藤: ICとして独立して仕事をする上で必要なことは、
じぶんから「専門家として語れ」、「名乗れ」と。
初めは、誰も言ってくれないんだから、そんなこと。
そう自ら名乗ることで、あの人はこの分野の専門家なんだと、
認識してもらって、読者になってくれる。
それが、パーソナルブランディングの基本であって、
専門家になるということが大切。
新聞が、まだ誰も気がついていないところで、
先のキーワードを取り上げる。
そのキーワードを、その後、複数紙で取り上げる。
マスに降りてくるのは、たぶん3年後だから、
それまでに、そのことについて、じぶんで色々調べて
発信していくことで、その道の専門家になれる。
— 日々の積み重ねですね。
齊藤: これは、会社勤めしていても、同じことだから。
ネットでニュースを読める時代だけど、
絶対、偏りが出てきちゃうから。
やっぱり、新聞広げて読むということで、
キーワードが、向こうから飛び込んでくるというか。
まあ、「アラートかけておく」みたいなイメージだけど。
情報を強制的に受ける、ひとつのペースメーカーみたいに
新聞を使うと、嫌が応でも、インプットができる。
たくさんのシャワーを浴びていると、
そこから、重要な情報を選ぶ術を身につけることができるんだよ。
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